私は助産師として27年、総合病院から地域での活動、開業まで、多様な現場で母子保健に携わってきました。その経験から、妊娠・出産・育児に関わる幅広い視点でのサポートを行えることが強みです。私自身、学生の頃から「地域に根ざして活動する助産師になりたい」という強い思いを抱き続け、その思いを実現するために、10年もの歳月をかけて準備を進めてきました。
とくに私は、妊娠・育児を地域全体で支えるために【地域との連携】が欠かせないと感じています。そのためにまず、地域性や医療水準をしっかり理解し、地域の医療機関と信頼関係を築くことを大切にしてきました。そして、さまざまな現場での経験を重ね、地域に根ざした助産院としての準備を整えてきました。現在も、安芸高田市市役所や市立三次中央病院産婦人科で活動を続け、皆さまが心身ともに安心して過ごせるよう、どんな些細なことでも相談しやすい温かな環境づくりを目指しています。どうぞ、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
2023年には、延べ180人以上のお母さんや赤ちゃんにお会いすることができました。病院勤務では十分に時間を取れなかったお話も、助産院ではゆっくり伺うことができ、私自身とても嬉しく思っています。お母さんや赤ちゃんと向き合う中で、「もっとこんなサポートをしたい」という思いが日々湧き上がり、新たな発見が続く毎日です。
育児は毎日休みなく続き、不安や疲れを抱えることも多いものです。「どうして自分だけ?」と思ったり、理想と現実のギャップに戸惑うこともあるかもしれません。そんなときこそ、一緒に赤ちゃんとの向き合い方を模索しながら、一歩ずつ進んでいける場所でありたいと思っています。助産院は、お母さんと赤ちゃんに寄り添い、不安や悩みを一緒に解決するお手伝いをする存在です。
産後間もない赤ちゃんとお母さんが、お泊まりやデイサービスを利用する際は、授乳と授乳の合間にしっかり休むことで、心も体もリフレッシュすることができます。お母さんがゆっくり眠ることでお乳の出が良くなることも多く、さらに助産院ではなぜか赤ちゃんもよく眠る傾向があります。その後、元気を取り戻してお家での生活に戻られる姿を見ることが、私たちにとって何よりの喜びです。
来所や訪問では、乳房ケアや授乳、子育ての相談が多く寄せられます。それぞれのお悩みをじっくり伺い、親子に合った解決策を一緒に考えています。「こうあるべき」ではなく、それぞれに適した方法を見つけるお手伝いが私たちの使命です。
2023年を通じて、多くのお母さんや赤ちゃんに出会えたことに心から感謝し、これからも一人ひとりの声に耳を傾け、寄り添い続けていきたいと思います。